このサイトをご利用いただくための注意事項です。
必ずお読みください。
このサイトでは、日本国内の医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師などの医療関係者を対象に、塩野義製薬株式会社の医療用医薬品、臨床検査薬・臨床検査機器を適正にご使用いただくための情報を提供しています。
- 医療用医薬品、臨床検査薬・臨床検査機器は、患者さんの独自の判断で服用(使用)中止したり、服用(使用)方法を変更すると危険な場合があります。
- 服用(使用)している医療用医薬品について疑問を持たれた場合には、治療に当たられている医師・歯科医師または調剤された薬剤師に必ず相談してください。
胎児毒性とは
妊娠16週を過ぎると、器官形成が終了しているため、一部の例外的薬剤(完成した胎児の器官を破壊する可能性がある薬剤)以外に薬剤による奇形はほとんどみられなくなります。しかし、妊娠16週以降から出産までは、胎児毒性に注意が必要となってきます。
胎児毒性とは、胎児の発育障害、臓器機能悪化、死亡のほか、出生後の児の発育など、母体に投与された薬剤が胎児に悪影響を及ぼすことです。
胎児毒性とは、胎児の発育障害、臓器機能悪化、死亡のほか、出生後の児の発育など、母体に投与された薬剤が胎児に悪影響を及ぼすことです。
表1 胎児毒性の例
1.胎児発育の障害
アルコールで起こる胎児発育の障害
2. 胎児臓器の機能障害
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、アンジオテンシン受容体拮抗薬(Angiotensin Ⅱ Receptor Blocker:ARB)やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬による胎児腎機能低下 ⇒ 羊水量の減少 ⇒ 胎児変形・拘縮や胎児死亡
・NSAIDsによる動脈管収縮や新生児遷延性肺高血圧症
・抗甲状腺薬による甲状腺機能低下、甲状腺腫
・アミノグリコシド系抗生物質による第Ⅷ脳神経障害
3.子宮収縮の異常/流・早産/予定日超過/分娩遷延
・NSAIDsによる予定日超過、分娩遷延
・バゾプレシンによる子宮収縮
・ミソプロストールによる強い子宮収縮とそれによる流・早産や胎児器官の破壊
4.新生児期への残留による障害
・体内に残留した抗生物質クロラムフェニコールを新生児が処理できずに起こる。頻度は稀だが重く、時には死に至る病態:グレイ症候群
・妊娠中長期にわたり曝露されていた向精神薬などの曝露が、出産で中断するために起こる新生児の脱力、振戦、痙攣発作など:新生児薬物離脱症候群
5.出生後の児の知的障害あるいは認知機能障害などへの影響
・アルコールによる胎児性アルコール症候群
(各種論文に基づき監修者作表)