SARS-CoV-2に対する抗ウイルス剤において催奇形性の注意喚起がなされている薬剤としてゾコーバ錠およびラゲブリオカプセルがあります。
ゾコーバ錠の生殖発生毒性試験では、胚・胎児発生に関する試験において「ウサギにおいて、臨床曝露量の5.0倍相当以上で胎児に催奇形性が認められるとともに、臨床曝露量の5.0倍に相当する用量で流産が、臨床曝露量の7.4倍に相当する用量で胚・胎児生存率の低下が認められている」ため、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しての投与は禁忌として注意喚起しています。(ゾコーバ錠125mg電子添文「9.5 妊婦」より抜粋)

 

このような背景から、ゾコーバ錠の電子添文では、以下のような注意喚起を実施しています。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
(中略)
2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[8.2、9.4、9.5参照]

8. 重要な基本的注意

(中略)

8.2 妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、本剤投与の必要性を十分に検討すること。また、投与が必要な場合には、次の注意事項に留意すること。[2.4、9.4、9.5参照]

8.2.1 本剤投与開始前に十分な問診により患者が妊娠していないこと及び妊娠している可能性がないことを確認すること。

8.2.2 次の事項について、本剤投与開始前に患者に説明すること。

・妊娠中に本剤を服用した場合、胎児に影響を及ぼす可能性があること。

・本剤服用中に妊娠が判明した又は疑われる場合は、直ちに服用を中止すること。

・本剤服用中及び最終服用後2週間における妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに医師、薬剤師等に相談すること。


9.特定の背景を有する患者に関する注意
(中略)
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[2.4、8.2、9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
ウサギにおいて、臨床曝露量の5.0倍相当以上で胎児に催奇形性が認められるとともに、臨床曝露量の5.0倍に相当する用量で流産が、臨床曝露量の7.4倍に相当する用量で胚・胎児生存率の低下が認められている。[2.4、8.2、9.4参照]
(下略)