聴覚障害とコミュニケーション
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1.聴覚障害の種類とその特徴
- 伝音性難聴:耳の外側から鼓膜がある中耳辺りに障害原因がある難聴。音の聞こえが小さかったり、耳をふさいだように聞こえる 。
- 感音性難聴:内耳から更に奥の神経部に障害原因がある難聴。単に聞こえが小さくなるだけでなく、音に歪みが生じて、言葉として聞き取ることが困難(加齢による高齢者の難聴も含む) 。
- 混合性難聴:伝音声難聴・感音性難聴両方の特徴が混在 。
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聴覚障害の特徴
- 1感音性難聴は音がゆがんで聞こえる(音域によって聞こえに差がある)
- 2大きな声では伝わらない(聴こえる音域は強調され、大声が不快に感じる)
- 3周囲がうるさいと、耳元で話しても聞こえない
- 4耳鳴りがしている(半数以上が耳鳴りを訴えている)
- 5補聴器や人工内耳を装着していても周囲の雑音や大勢の会話などは聞き取りが困難
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2.障害発症時期とその特徴
- 言語獲得前難聴:乳幼児期など音声言語獲得前に失聴した場合の難聴(先天性難聴等)。耳で聞いて話すことを学習しづらいため、声を出して話すことが困難になる。主に助詞・副詞などや、抽象的思考の獲得が難しく、日本語でのコミュニケーションレベルが小学3、4年生程度で停滞してしまう場合がある(“9歳の壁”)。また、「様子を見て」や「腹が立つ」など、抽象的な言葉の理解が難しい場合がある。
- 音声獲得後難聴(中途失聴や高齢者の難聴等):話すことにあまり不自由はないが、聞こえが不自由になる。
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3.聴覚障がい者のコミュニケーション方法
聴覚障がい者は普段から周囲の状況や場面に合わせて複数のコミュニケーション方法を使い分けている。たとえば、読話は前後の話の流れや、口の形などを手掛かりにして内容を推察する技術だが、口元がよく見えない場所や薄暗い場所などではわかりづらく、それぞれのコミュニケーション方法についての理解も必要である。
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コミュニケーションの方法と特徴
- 手話:会話表現と異なり単語の組み合わせでできている。助詞がないことが多く、文末の特定が困難。
- 読話:相手の口の動きや話の前後関係などから言葉を推察して、話している内容を読み取る方法。口の動きや音が似ている言葉は判別が難しいので注意が必要 。
- 口話:音声による発語ができる場合のコミュニケーション方法。読話と口話でコミュニケーションできる場合、聴覚障害に気づかれないこともある。
- 筆談:紙やタブレット端末など、文字を書いて伝える方法。手間はかかるが、日時などの情報を正確に伝える事ができる。
- アプリ:スマートフォンやタブレットなどで、筆談や音声認識機能のあるアプリを使いコミュニケーションをとる方法。
- 手話通訳:手話と音声の両言語間を通訳し、コミュニケーションを橋渡しする方法 。
- 要約筆記:音声で聞き取った話を要約し書き表して、文字で聴覚障がい者に伝える方法 。