よくあるお問い合わせ
「よくあるお問い合わせ」は、皆様からよくご質問いただく事項に関してとりまとめたものです。なお、「よくあるお問い合わせ」の内容は、医薬品の適正使用にあたっての参考情報であり、すべての患者さんにあてはまるものではありません。
製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。その他製品に関してご不明な点がございましたら、医療用医薬品に関する お問い合わせまたは弊社医薬情報センター(0120−956734)まで直接お問い合わせください。
なお、「よくある問い合わせ」のご利用にあたっては、上記の注意事項に加えて、本ウェブサイトのご利用規約をご確認ください。
治療
予防を目的としてゾフルーザを投与した後に、インフルエンザウイルス感染症を発症した場合、ゾフルーザの使用に制限はありますか?
電子添文(2024年1月改訂)には、予防目的でゾフルーザを投与した後にインフルエンザウイルス感染症を発症した場合、治療目的でゾフルーザの投与を制限するような記載はありません。なお、ゾフルーザ40mgを投与した時の血漿中半減期は約95~100時間であることから1) 、ゾフルーザ投与後、体内に残存している間に再度投与することにより血漿中濃度が上昇することが考えられますのでご注意ください。
1) 申請資料概要(2020/11/27 承認)、2.7.2.4.1 臨床分離ウイルスの遺伝子配列解析
https://www.pmda.go.jp/drugs/2020/P20201118001/index.html
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安全性
ゾフルーザを服用後吐いた(嘔吐した)場合の対処を教えてください。
吐いてしまった場合の対応(再投与や他の抗インフルエンザウイルス薬の投与可否等)については主治医判断となりますが、再投与は過量投与の懸念があり推奨していません。
なお、ゾフルーザを服用後、吐いてしまった(嘔吐した)場合の有効性や再投与について検討したデータはありません。
ゾフルーザの服用後に吐いて(嘔吐)しまいましたが、ゾフルーザの服用後から吸収までの時間について教えてください。
ゾフルーザの服用後から吸収が始まるまでの時間について検討したデータはありません。
なお、健康成人男性に、バロキサビル マルボキシル40mgを空腹時(14例)又は普通食摂取後(14例)に単回経口投与したときのバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ及び平均血漿中濃度推移は以下のとおりです1) 。
また、小児の国内第Ⅲ相試験(T0822)において、嘔吐せずに服用できた患者の投与24時間後の血漿中濃度(C24 値)は、58.0ng/mLであったのに対し、投与後0.25時間(15分)、0.87時間(約52分)、1.57時間(約94分)に嘔吐した3例におけるC24値は、それぞれ、46.6ng/mL、65.5ng/mL、84.5ng/mLでした2) 。
1) 電子添文
2) Hirotsu N, et al.: Clin Infect Dis、 2020、 71(4)、971-981 〔201900441〕
製剤・調剤
ゾフルーザ顆粒剤は発売されていますか?
ゾフルーザを1回10mg投与する場合、20mg錠を分割して投与することは可能ですか?
20mg錠を分割して10mgとして投与することは承認外であり推奨できません。
また、20mg錠には割線がなく、半錠に分割できません。
また、電子添文(2024年1月改訂)では10mg錠の投与について以下の注意を行っています1) 。
7. 用法・用量に関連する注意
〈効能共通〉
7.1 10mg錠と20mg錠又は顆粒2%分包の生物学的同等性は示されていないため、10mgを投与する際には顆粒2%分包を使用しないこと。また、20mg以上の用量を投与する際には、10mg錠を使用しないこと。
<参考>
ゾフルーザの開発時に、10mg錠2錠と20mg錠1錠との生物学的同等性試験において同等性が示されなかったため2) 、それぞれの剤形で投与することが妥当と判断されています3) 。
1) 電子添文
2) 申請資料概要、2.7.6.3、生物学的同等性の評価、p.18
https://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180312001/340018000_23000AMX00434_K104_1.pdf#page=18
注)上記クリックにより、SHIONOGIサイトから外部のサイトへ移動します。
3) 審査報告書(2018年02月23日)、p.45
https://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180312001/340018000_23000AMX00434000_A101_1.pdf#page=18
注)上記クリックにより、SHIONOGIサイトから外部のサイトへ移動します。
ゾフルーザ錠は粉砕して投与できますか?
ゾフルーザ錠の粉砕投与は承認外用法となり、推奨していません。
なお、錠剤の投与について電子添文(2024年1月改訂)では以下の注意を行っています1) 。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.7 小児等
〈錠剤〉
9.7.2 小児に対しては、本剤を適切に経口投与できると判断された場合にのみ投与すること。
1) 電子添文
特定の背景を有する患者
12歳以上で体重40kg未満の低体重の患者さんに対するゾフルーザの投与量は、1回40mg(20mg錠2錠)でよいのでしょうか?
12歳以上の場合、体重80kg未満は一律1回40mg(20mg錠2錠)です1) 。
なお、用法・用量は以下のとおりです1) 。
6. 用法・用量
通常、以下の用量を単回経口投与する。
ゾフルーザを透析患者さんに投与する場合、投与量の調節は必要ですか?
本剤の排泄における腎の寄与は小さく、電子添文(2024年1月改訂)では、腎機能障害患者や透析患者における用量調節に関する記載はありません。
ただし、臨床試験では透析患者の薬物動態、有効性及び安全性の検討は行っていません。
また、2024年3月現在、ガイドライン等でゾフルーザの透析患者における具体的な投与量は示されていません。
<参考>
・ 本剤は主に胆汁を介した糞中排泄であり、腎排泄の寄与が小さい1) 。
(バロキサビル マルボキシルの代謝物を含む総量の14.7%、活性体として3.28%が尿中に排泄される。)
・ 蛋白結合率が92.9~93.9%と高く見かけ上の分布容積(平均値)は647Lと大きい1)2) 。
・ 分配係数 log P=2.26[1-オクタノール/水]3) ※水にはほとんど溶けない。
1) 社内資料:バロキサビル マルボキシルの薬物動態 〔201800012〕
2) 社内資料:バロキサビル マルボキシル活性体のin vitro血清蛋白結合及び血球移行性 〔201800027〕
3) 電子添文
ゾフルーザを妊婦に投与する場合の参考としてFDA分類を教えてください。
FDA分類は2015年に廃止されています。なお、ゾフルーザ(米国名:XOFLUZA)は米国で2018年10月に承認されており、米国添付文書においては、妊婦および胎児に対する本剤を投与した臨床試験はなく、インフルエンザウイルス感染に伴って生じるリスクがあるとしています1) 。
さらに、動物の生殖発生毒性試験では、人の推奨用量においては毒性所見は認められないと米国添付文書には記載されています1) 。
また、CDCは、妊婦への投与は推奨していないとしています2) 。
なお、電子添文(2024年1月改訂)では妊婦への投与について以下の注意を行っています3) 。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性は認められなかったが、ウサギにおける高用量投与で、流産及び頚部過剰肋骨が報告されている。また、ラットにおいて胎盤通過が認められている。
<参考>
2015年にFDAからPregnancy and Lactation Labeling Final Rule(PLLR)が出されました。このPLLRでは、薬剤胎児危険度分類(pregnancy category)を表すA、B、C、D、Xが撤廃されました4) 。
1) 米国添付文書(FDA)XOFLUZA(10/16/2019)
2) CDC:Influenza Antiviral Drug Baloxavir Marboxil
3) 電子添文
4) 医薬品安全性情報:国立医薬品食品衛生研究所、2015、13(2)、2、 p.4