よくあるお問い合わせ
「よくあるお問い合わせ」は、皆様からよくご質問いただく事項に関してとりまとめたものです。なお、「よくあるお問い合わせ」の内容は、医薬品の適正使用にあたっての参考情報であり、すべての患者さんにあてはまるものではありません。
製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。その他製品に関してご不明な点がございましたら、医療用医薬品に関する お問い合わせまたは弊社医薬情報センター(0120−956734)まで直接お問い合わせください。
なお、「よくある問い合わせ」のご利用にあたっては、上記の注意事項に加えて、本ウェブサイトのご利用規約をご確認ください。
治療
フィニバックスの1日最大投与量について教えてください。疾患(例えば髄膜炎など)や重症度で承認された最大投与量は異なりますか?
フィニバックスの1日最大投与量は3.0g(力価)です。特定の疾患や重症度に対する用量設定はありません。
なお、2020年12月改訂の電子添文に記載の用法・用量は以下のとおりです1) 。
6. 用法・用量
通常、成人にはドリペネムとして1回0.25g(力価)を1日2回又は3回、30分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回0.5g(力価)を1日3回投与し、増量が必要と判断される場合に限り1回量として1.0g(力価)、1日量として3.0g(力価)まで投与できる。
通常、小児にはドリペネムとして1回20mg(力価)/kgを1日3回、30分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回40mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし、投与量の上限は1回1.0g(力価)までとする。
1) 電子添文
フィニバックスの電子添文に記載されている腎機能別投与量の表の見方について教えてください。
2020年12月改訂の電子添文に掲載している表は以下のとおりです1) 。
7. 用法・用量に関連する注意
7.1 腎機能障害患者への投与に際しては、下表を目安に投与量を調節すること。
電子添文に記載の用法・用量に従った腎機能正常患者における1日投与量(1回投与量×1日投与回数)は、「① 0.25g×2回」、「② 0.25g×3回」、「③ 0.5g×3回」、「④ 1.0g×3回」の4とおりです。
表では、上記4とおり(①~④)に対応する腎機能障害患者(Ccr別)の1日投与量の目安を示しています。
<1日投与量(力価)>
① 0.25g×2回
50≦Ccr<70:0.25g×2回、30≦Ccr<50:0.25g×2回、Ccr<30:0.25g×2回※2
② 0.25g×3回
50≦Ccr<70:0.25g×2~3回、30≦Ccr<50:0.25g×2回、Ccr<30:0.25g×2回※2
③ 0.5g×3回
50≦Ccr<70:0.5g×2~3回、30≦Ccr<50:0.25g×3回又は0.5g×2回、Ccr<30:0.25g×2回※2
④ 1.0g×3回
50≦Ccr<70:1.0g×2回※1、30≦Ccr<50:0.5g×3回、Ccr<30:0.25g×3回※2
なお、※1及び※2の注意に基づき以下に留意してください。
・50≦Ccr<70:(※1)→1.0g×3回投与は避けることが望ましい。
・Ccr<30:(※2)→低体重患者では安全性に留意し、慎重に投与すること
1) 電子添文
フィニバックスの一般的な間欠透析時の除去率を教えてください。
血液透析単独による血漿中濃度の平均減少率は「56.12±8.11%であった」との報告があります1) 。
1) Tanoue K:Ther Apher Dial, 2011, 15(3), 327 〔201100954〕
製剤・調剤
フィニバックスのバイアル製品を5%ブドウ糖注射液で溶解・希釈してもよいでしょうか?
通常、生理食塩液100mLを用いて溶解しますが、5%ブドウ糖注射液での調製については医師の判断になります。
2020年12月改訂の電子添文の「表14-1 主な輸液製剤との配合変化」を参考に使用してください1) 。
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
〈製剤共通〉
14.1.1 調製後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも日局生理食塩液に溶解した場合、室温保存では8時間以内に、冷蔵庫保存では24時間以内に使用すること。
〈点滴静注用0.25g、点滴静注用0.5g〉
14.1.2 通常、生理食塩液100mLを用いて、よく振盪して溶解する。注射用水は溶液が等張とならないため使用しないこと。また、L-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤と配合すると、著しく力価が低下するので、配合しないこと。
14.1.3 0.25g製剤1瓶を主な輸液製剤に溶解したときの含量を表14-1に示す。
※ 溶解後は、室温保存では8時間以内に使用すること。
フィニバックスの配合変化表では、1時間後、4時間後の含量、pH、外観、試験概要についても確認いただけます2) 。
1) 電子添文
2) 医療関係者向け情報TOP > 製品情報 > フィニバックス > フィニバックス配合変化表(FBX-D-5)
https://med.shionogi.co.jp/products/medicine/finibax/composition_pdf.html
フィニバックスを点滴静注する場合の注射液量は、最低でもどのくらいの量が必要ですか?
2020年12月改訂の電子添文には、注射液量の下限に関する記載はありませんが、以下の注意を行っています1) 。
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
〈点滴静注用0.25g、点滴静注用0.5g〉
14.1.2 通常、生理食塩液100mLを用いて、よく振盪して溶解する。注射用水は溶液が等張とならないため使用しないこと。また、L-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤と配合すると、著しく力価が低下するので、配合しないこと。
なお、成人を対象とした国内第Ⅲ相試験では、フィニバックス1回1g、1日3回投与時、1gを100mL以上の生理食塩液に溶解して投与していますが、これより少ない注射液量で希釈した場合の投与経験はありません。
1) 電子添文
L-システイン、L-シスチンを含まないアミノ酸製剤(アセチルシステイン含有製剤等)との配合は避ける必要はありますか?
2020年12月改訂の電子添文には、「L-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤と配合すると、著しく力価が低下するので、配合しないこと。」と記載しています1) 。
電子添文上「配合しないこと」としているのはL-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤であり、これらを含まないアミノ酸製剤との配合について注意は行っていません。
なお、L-システイン、L-シスチンを含まない一部のアミノ酸製剤(ビーフリード®輸液2)、エルネオパ®1号輸液、エルネオパ®2号輸液)との配合変化試験の報告があります3) 。
1) 電子添文
2) 医療関係者向け情報TOP > 製品情報一覧 > フィニバックス点滴静注用0.25g・点滴静注用0.5g・キット点滴静注用0.25g > フィニバックス配合変化表(FBX-D-5)
https://med.shionogi.co.jp/products/medicine/finibax/composition_pdf.html
3) 張間香:日本薬剤師会雑誌,2017、53(10)、1247 〔201900392〕