高齢者における適切な睡眠習慣とは
高齢者における適切な睡眠習慣とは
適切な睡眠習慣を考えるうえで年代別の配慮が必要です。
健康づくりのための睡眠ガイド2023では、ライフステージ(成人、こども、高齢者)ごとに睡眠に関する推奨事項がまとめられており、そのうち、高齢者については、以下に示すような適正な睡眠時間と睡眠休養感の確保に向けた推奨事項がとりまとめられています。
高齢者の睡眠を考えるうえで大事なポイント
高齢者における睡眠時間と床上時間の関係
加齢に伴う客観的に測定された睡眠時間[青色]と床上時間の変化[黄色](海外データを含む)1-3)
高齢者における睡眠休養感の欠如による健康へのリスク
高齢者の床上時間・睡眠休養感と死亡リスクの関連(海外データ)4)
対象: 多施設共同集団ベースの前向きコホート研究であるSHHS(Sleep Heart Health Study)に登録され、睡眠ポリグラフ(PSG:polysomnography)を
受けた40~64歳の中年3128人及び65歳以上の高齢者2676人、計5804人
方法:PSGで測定した総睡眠時間または床上時間と組み合わせた睡眠休養感と全死因死亡率との関連を縦断的に検討した。
Limitation: 1晩のPSG測定であるため睡眠時間が過小評価される可能性がある。死亡リスクに対しては睡眠時間の指標と睡眠休養感の相互作用は観察さ
れなかった。主観的/客観的睡眠指標の公衆衛生上の有用性を判断するには様々な集団におけるさらなる調査が必要である。
昼夜のメリハリの低下
加齢に伴う睡眠・覚醒(昼夜)のメリハリの変化1,3)
日中の長時間の昼寝がもたらす影響
高齢世代において、15時以降の30分以内の昼寝は、夜間睡眠の質を良好に維持する可能性がある一方で、 31分以上の昼寝は、夜間睡眠の質の低下(睡眠効率の低さ)やこれを補完する可能性が示唆されています5)。
なお、昼寝の所要時間の長さは、以下に示すような健康リスクの関与が示唆されています。
毎日をすこやかに過ごすための睡眠5原則 高齢者版8)
良い睡眠には、量(時間)と質(休養感)が重要です。
朝目覚めた時に感じる休まった感覚(睡眠休養感)は良い睡眠の目安となります。良い睡眠をとるための5原則が示されています。
References
1) 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会, 健康づくりのための睡眠ガイド2023, 令和6年2月, p19-21
2) Ohayon MM, et al.: Sleep 2004; 27(7): 1255-1273.
3) Hood S, et al.: J Clin Invest 2017; 127(2): 437-446.
4) Yoshiike T, et al.: Sci Rep 2022; 12(1): 189. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
5) ⻫藤リカ, 松⽥ひとみ:高齢者の昼寝所要時間による特徴と夜間睡眠との関連. 高齢者ケアリング学研究会誌 4: 1-10, 2013.
6) Li P, et al.: Alzheimers Dement 2023; 19(1): 158-168.
7) da Silva AA, et al.: BMJ Open 2016; 6(2): e008119.
8) 厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)「適切な睡眠・休養促進に寄与する「新・健康づくりのための睡眠指針」と連動した行動・習慣改善ツール開発及び環境整備」研究班(令和5年度): 高齢者のためのGood Sleepガイド