高齢者におけるクービビックの臨床成績
海外第Ⅲ相試験(ID-078A301試験)(海外データ)1,2)
Fietze I, et al. Drugs Aging. 2022; 39(10): 795-810.
(本試験はイドルシア社の支援により行われた。著者にイドルシア社よりコンサルティング料等を受領した者が含まれる。)
試験概要
- 目的
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不眠障害患者を対象としたクービビックの有効性及び安全性を検討する。
- 試験デザイン
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多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間、睡眠ポリグラフ(PSG)試験
- 対象
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不眠障害を有する成人及び高齢患者930例
<主な登録基準>
・18歳以上、BMIが18.5kg/m2以上40.0kg/m2以下の男女
・DSM-5に基づき不眠障害と診断された患者
・来院1回目の不眠重症度指数(ISI)スコアが15以上の患者
・来院2回目から3回目の期間7日間で記入した睡眠日誌において、3夜以上で以下のすべてに該当する患者
(a)主観的睡眠潜時(sLSO)30分以上 (b)主観的中途覚醒時間(sWASO)30分以上
(c)主観的総睡眠時間(sTST)6.5時間以下
・来院2回目から3回目の期間7日間で記入した睡眠日誌において、普段の就床時刻が21:30~00:30、就床時間が6時間から9時間と報告した患者
・来院3回目に2夜のPSGにより測定した睡眠パラメータが以下の基準をすべて満たす患者
(a)持続入眠潜時(LPS)の平均値が20分以上(2夜のいずれでも15分未満ではない)
(b)中途覚醒時間(WASO)の平均値が30分以上(2夜のいずれでも20分未満ではない)
(c)総睡眠時間(TST)の平均値が420分未満
・慢性閉塞性肺疾患及び睡眠時無呼吸などの睡眠関連呼吸障害の既往歴がなく、合併のない患者
・急性又は不安定な精神状態(不安障害、大うつ病、双極性障害、統合失調症、強迫性障害、又はうつ病を含むが、これらに限定されない)と診断されていない患者、大うつ病の既往歴を有するが、無症状で、同意取得時に治療不要であった患者 - 方法
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被験者は、スクリーニング期(7~18日間)と、これに続く単盲検のプラセボrun-in期(13~24日間)の後、クービビック25mg群、50mg群又はプラセボ群に、それぞれ1:1:1の比でランダムに割付けられた。ランダムに割付け後、二重盲検下にて治験薬を1日1回就寝前に12週間経口投与し、その後7日間を単盲検にてプラセボ投与するプラセボrun-out期とした。
- 評価項目
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主要評価項目(有効性):検証的解析項目
・中途覚醒時間(WASO)の4週時注1) 及び12週時注1) におけるベースライン注2) からの変化量
・持続入眠潜時(LPS)の4週時注1) 及び12週時注1) におけるベースライン注2) からの変化量
副次評価項目(有効性):
・主観的総睡眠時間(sTST)の4週時注3) 及び12週時注3) におけるベースライン注4) からの変化量
・IDSIQ Sleepinessスコアの4週時注3) 及び12週時注3) におけるベースライン注4) からの変化量
探索的評価項目:
・IDSIQの各スコア(Sleepinessスコア以外)の4週時注3) 及び12週時注3) におけるベースライン注4) からの変化量
安全性評価項目:
・二重盲検期終了(中止)後30日又は継続投与試験に移行するまでに治療下で発現した有害事象(TEAE)
・二重盲検期終了(中止)後30日又は継続投与試験に移行するまでに発現した重篤な有害事象
・二重盲検期の早期治験薬投与中止に至った有害事象 等
注1)4週時、12週時:来院6回目、8回目それぞれの2夜PSG測定での平均値
注2)ベースライン:来院3回目の2夜PSG測定での平均値
注3)4週時、12週時:来院6回目、8回目それぞれの最初のPSG測定の直前7日間に被験者が自宅で実施した睡眠日誌/IDSIQの記入データにおける平均値
注4)ベースライン:来院3回目の最初のPSG測定の直前7日間に被験者が自宅で実施したスクリーニング睡眠日誌/IDSIQの記入データにおける平均値
解析計画
【解析対象集団】
有効性の解析対象集団は、ランダム化され少なくとも1回治験薬を投与されたすべての患者(FAS)、安全性の解析対象集団は治験薬を1回以上投与されたすべての患者とした。
【主要評価項目、副次評価項目、探索的評価項目】
主要評価項目(WASO及びLPS)及び副次評価項目(sTST及びIDSIQ Sleepinessスコア)それぞれについて、2用量に対する計16の帰無仮説検定を実施した。両側有意水準5%で試験全体の第1種過誤を制御するため、Bonferroni法に基づくゲートキーピング法を用い、主要及び副次評価項目のそれぞれ2つの項目を両側5%の半分の有意水準で、それぞれ4週時の高用量群とプラセボ群の比較、12週時の高用量群とプラセボ群の比較、4週時の低用量群とプラセボ群の比較、12週時の低用量群とプラセボ群の比較の順で検定を行った。
評価項目のベースラインからの変化量は、各応答変数(WASO、LPS、sTST、又はIDSIQ sleepinessスコア)のベースライン値、年齢区分(65歳未満、65歳以上)、投与群(高用量群、低用量群、プラセボ群)、評価時点(4週時、12週時)、投与群と評価時点の交互作用項及びベースライン値と評価時点の交互作用項を適用した線形混合効果モデルを用いて解析し、対象の群間差を検定した。
探索的評価項目の解析方法については結果の項に示す。
【サブグループ解析】
有効性評価項目について、年齢層(65歳未満、65歳以上)、性別(男性、女性)及び地域(米国、米国以外)によりサブグループ解析を実施することを事前に計画した。WASO、LPS、sTST及びIDSIQ Sleepinessスコアは、4週時及び12週時におけるベースラインからの変化量とプラセボ群との差について、最小二乗平均値及び95%CIで示した。安全性評価項目について、年齢層(65歳未満、65歳以上)によりサブグループ解析を実施することを事前に計画した。
全体集団
【主要評価項目(検証的解析結果)】
中途覚醒時間(WASO)の4週時及び12週時におけるベースラインからの変化量
●WASOはプラセボ群と比較してクービビック25mg群及び50mg群で有意に短縮し、その優越性が検証されました。
【主要評価項目(検証的解析結果)】
持続入眠潜時(LPS)の4週時及び12週時におけるベースラインからの変化量
●LPSはプラセボ群と比較してクービビック25mg群及び50mg群で有意に短縮し、その優越性が検証されました。
【副次評価項目】
主観的総睡眠時間(sTST)の4週時及び12週時におけるベースラインからの変化量
●sTSTはプラセボ群と比較してクービビック25mg群及び50mg群で有意に延長しました。
- IDSIQとは、被験者による日中の眠気や気分の程度に関する質問への自己報告に基づき、医師が不眠障害における日中の症状に対する有効性を評価する指標で、数値が小さいほど日中の機能障害が小さいことを示す。
- 14の質問[Sleepiness(4項目)、Alert/Cognition(6項目)、Mood(4項目)の3つの領域]により構成され、各質問に対し0~10の11段階のスケールで評価し、それぞれの領域における合計スコアと14項目の合計スコアによる評価を行う3)。
- IDSIQの日本語版作成にあたっては、不眠症患者を対象としたインタビューを含む言語バリデーションを行った4)。
- 同時妥当性の分析に日中機能を評価するための評価指標が含まれていない。
- 介入研究に参加した被験者はISIスコアが15以上であることが必要であったため、軽症の不眠症患者におけるIDSIQの妥当性は確立されていない。
- IDSIQは今のところ短期間の薬剤使用でしか検証されておらず、長期の治療効果評価については確立されていない。
【副次評価項目、探索的評価項目】
IDSIQスコアの4週時及び12週時におけるベースラインからの変化量
【安全性評価項目(安全性解析対象集団)】
二重盲検期における副作用
●二重盲検期において、副作用はクービビック25mg群で12.9%(40/310例)、50mg群で12.3%(38/308例)、プラセボ群で9.4%(29/309例)に発現しました。
年齢層別(65歳未満、65歳以上)サブグループ解析
中途覚醒時間(WASO)
持続入眠潜時(LPS)
主観的総睡眠時間(sTST)
IDSIQ Sleepinessスコア
IDSIQ(Sleepinessスコア以外)
有害事象(安全性解析対象集団)1)
- 二重盲検期における全体集団の有害事象発現率はクービビック25mg群で37.7%(117/310例)、50mg群で37.7%(116/308例)、プラセボ群で34.0%(105/309例)でした。
- 全体集団の主な有害事象は上咽頭炎[25mg群6.8%(21/310例)、50mg群6.5%(20/308例)、プラセボ群6.5%(20/309例)]、頭痛[25mg群5.2%(16/310例)、50mg群6.2%(19/308例)、プラセボ群3.9%(12/309例)]、疲労[25mg群2.3%(7/310例)、50mg群2.3%(7/308例)、プラセボ群0.6%(2/309例)]、浮動性めまい[25mg群1.9%(6/310例)、50mg群2.3%(7/308例)、プラセボ群0.6%(2/309例)]、傾眠[25mg群3.5%(11/310例)、50mg群1.6%(5/308例)、プラセボ群1.9%(6/309例)]、悪心[25mg群0.3%(1/310例)、50mg群2.3%(7/308例)、プラセボ群1.0%(3/309例)]及び偶発的過量投与※[25mg群1.3%(4/310例)、50mg群2.6%(8/308例)、プラセボ群1.6%(5/309例)]でした。
- 年齢層別の有害事象は以下のとおりでした。
References
1) 社内資料:不眠症患者を対象とした海外第Ⅲ相試験[ID-078A301試験](承認時評価資料)
2) Fietze I, et al. Drugs Aging. 2022; 39(10): 795-810.
(本試験はイドルシア社の支援により行われた。著者にイドルシア社よりコンサルティング料等を受領した者が含まれる。)
3) Hudgens S, et al. Patient. 2021; 14(2): 249-268.
(本研究はイドルシア社の資金により行われた。本論文の著者のうち1名はイドルシア社の社員である。)
4) 社内資料:主な他の有効性評価(承認時評価資料)