よくあるお問い合わせ
「よくあるお問い合わせ」は、皆様からよくご質問いただく事項に関してとりまとめたものです。なお、「よくあるお問い合わせ」の内容は、医薬品の適正使用にあたっての参考情報であり、すべての患者さんにあてはまるものではありません。
製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。その他製品に関してご不明な点がございましたら、医療用医薬品に関する お問い合わせまたは弊社医薬情報センター(0120−956734)まで直接お問い合わせください。
なお、「よくある問い合わせ」のご利用にあたっては、上記の注意事項に加えて、本ウェブサイトのご利用規約をご確認ください。
治療
スインプロイク錠は弱オピオイド(コデイン、ジヒドロコデイン等)によるオピオイド誘発性便秘症(OIC※)にも使用できますか?
弱オピオイド(コデイン、ジヒドロコデイン等)によるオピオイド誘発性便秘症(OIC)にも使用できます。
※OIC:opioid-induced constipation
スインプロイク錠は頓用(頓服)や隔日投与の適応はありますか?
用法・用量に頓服(頓用)や隔日投与の記載はなく、適応はありません。
また、頓服(頓用)や隔日投与における有効性・安全性を検討した治験は実施していません。
スインプロイク錠は症状やオピオイドの種類、投与量にあわせて適宜増減できますか?
オピオイドの種類、投与量にあわせて適宜増減することはできません。
なお、電子添文(2022年9月改訂)の用法・用量に、適宜増減に関する記載はなく、オピオイド誘発性便秘症(OIC※) の重症度や服用しているオピオイドの種類、投与量にかかわらず、用法・用量は「通常、成人にはナルデメジンとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。」です1) 。
※OIC:opioid-induced constipation
1) 電子添文
スインプロイク錠の用法が1日1回である理由は何ですか?
オピオイド誘発性便秘症(OIC※) 治療薬では、排便が得られれば必ずしも1日を通じて一定の血中濃度を維持する必要はないと考え、患者さんの利便性を考慮し、開発当初から1日1回の用法を目指していました。
海外の単回投与試験(V9214試験1)) および、国内外の用量設定試験(V9221試験2) 、V9222試験3) )において、1日1回投与で有効性が確認されたため、第Ⅲ相試験4) においては、0.2mgの1日1回の用法用量で試験が実施され、最終的にその条件で承認を得ています。
※OIC:opioid-induced constipation
1) 申請資料概要(2017/3/30承認)、2.7.6.17 海外第2相オピオイド誘発性消化管障害単回投与試験 (V9214)、pp.487-497
https://www.pmda.go.jp/drugs/2017/P20170308001/340018000_22900AMX00513_K104_1.pdf#page=43
注)上記クリックにより、SHIONOGIサイトから外部(PMDA)のサイトへ移動します。
2) 社内資料:非がん性慢性疼痛患者を対象とした海外後期第Ⅱ相用量設定試験(2017/3/30承認、申請資料概要 2.7.6.18)〔201700055〕
3) 社内資料:がん患者を対象とした日韓後期第Ⅱ相用量設定試験(2017/3/30承認、申請資料概要 2.7.6.12)〔201700054〕
4) 社内資料:がん患者を対象とした国内第Ⅲ相検証試験(2017/3/30承認、申請資料概要 2.7.6.13、2.7.4.7)〔201700047〕
オピオイドの投与量が増えてもスインプロイク錠を増量しなくてもよい理由は何ですか?
非臨床試験結果から、スインプロイク錠は、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ハイドロコドンなどのオピオイド受容体アゴニストに対する阻害様式が、非競合的阻害であったことから1) 、スインプロイク錠の用量は、オピオイドの投与量に依存することなく、0.2mg/日となっています。
1) Kanemasa T. et al.:J Pharmacol Exp Ther.2020;373:438-444〔202100051〕
スインプロイク錠の初回投与から効果発現までの時間の目安はどのくらいですか?
国内第Ⅲ相がん患者対象検証試験(V9236試験)において、初回投与後最初のSBM(Spontaneous Bowel Movement:自発排便 [レスキュー緩下薬投与後24時間以内の排便を除く排便])までの時間の中央値は4.67時間(95%CI:3.00~7.58時間)でした。 また、初回投与後最初のCSBM(Complete Spontaneous Bowel Movement:残便感を伴わないSBM)発現までの時間の中央値は、24.00時間(95%CI:9.00~43.25時間)でした1) 。
1) 社内資料:がん患者を対象とした国内第Ⅲ相検証試験(2017/3/30承認、申請資料概要 2.7.6.13、2.7.4.7)〔201700047〕
製剤・調剤
スインプロイク錠の無包装状態での安定性を教えてください。
なお、包装状態での貯法は「室温保存」であり2) 、無包装状態での製剤の安定性は、保存状況により変化する可能性がありますので注意してください。
電子添文(2022年9月改訂)では、以下の注意を行っています2) 。
20. 取扱い上の注意
遮光して保存すること。
1) 社内資料:ナルデメジン錠0.2mgのPTPシート取り出し後の安定性試験成績〔201700099〕
2) 電子添文
スインプロイク錠を粉砕して投与できますか?
スインプロイク錠を簡易懸濁法で投与できますか?経管投与できますか?
特定の背景を有する患者
スインプロイク錠は脳梗塞の患者さんに投与できますか?
脳腫瘍(転移性を含む)などの血液脳関門が機能していない又は機能不全が疑われる患者への投与は、オピオイド離脱症候群又はオピオイドの鎮痛作用の減弱を起こすおそれがあることから、電子添文(2022年9月改訂)の「9.1.2 血液脳関門が機能していない又は機能不全が疑われる患者」において注意を行っていますが1)、脳梗塞患者への投与は可能と考えています。
脳梗塞(低酸素虚血)においても血液脳関門が破綻している可能性はありますが2) 、一過性であることが示唆されていることから3) 、脳梗塞患者へのスインプロイク錠投与に関して、2024年4月時点で具体的な注意は行っていません。
ただし、脳梗塞患者におけるスインプロイク錠投与時の安全性を検討したデータはありません。
1) 電子添文
2) Ballabh P. et al.:Neurobiol Dis.2004;16:1-13〔201700365〕
3) Yang J. et al.:BMC Neurol.2015;15:214〔202000190〕